最高裁判所第一小法廷 昭和26年(あ)262号 決定 1952年2月14日
本籍並住居
宮城県牡鹿郡渡波町字祝田一九番地
興行師
阿部喜美夫
大正一四年三月一五日生
右の者に対する強姦未遂、偽証教唆被告事件について昭和二五年一一月一四日仙台高等裁判所の言渡した判決に対し被告人から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。
主文
本件上告を棄却する。
当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
理由
弁護人中村武の上告趣意(後記)第一点は、単なる訴訟法違反又は事実誤認の主張であり、同第二点は、単なる刑罰法規の解釈適用を誤つたとの主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当たらない。(そして、被告人自身に黙秘権があるからといつて、他人に虚偽の陳述をするよう教唆したときは偽証教唆の責を免れないこというまでもない。)また記録を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
よつて同四一四条三八六条一項三号、一八一条により主文のとおり決定する。
この決定は、裁判官全員一致の意見である。
(裁判長裁判官 斎藤悠輔 裁判官 沢田竹治郎 裁判官 真野毅 裁判官 岩松三郎)